プロジェクトの失敗率を下げるために覚える10の要素

プロジェクトの失敗率を下げるためには、どんなことを意識して取り組めばいいでしょうか?
計画の立て方を中心に、"プロジェクトとはなにか"という基礎からプロジェクトの概念と設計について学び、実践に使えるスキルの習得を目指します。Webディレクターを任された、または転職を考えている方におすすめの講座です。

和田正弘のWebプランニング講座」では、プロジェクトの立ち上げ、計画をするにあたっての考え方の領域を扱います。実行から監視・コントロール、終結するまでの進行に関しては「大崎誠のWebディレクション講座」の受講をおすすめします。

何からはじめる?プロジェクトとは

"独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務(PMBOKより)"

プロジェクトとは上記のように定義されています。簡単にまとめると具体的な成果物、期限・予算・条件を合わせたものがプロジェクトです。目的や目標、状況によって対応が変わるため、はじめにやり方や役割を決めておかないと、なんのためにプロジェクトがあるのかわからなくなり全体の士気や品質の低下に繋がります。そういったプロジェクトの失敗率を下げるためには、「何をするか」を理解して決定する必要があります。

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プロジェクトをはじめるには

プロジェクトをはじめるために必要とされる基本の「10の要素」は下記のとおりです。

  1. 1. 要求・背景・前提
  2. 「どうしてやるんだっけ?」とならないよう、プロジェクトをはじめようとした状況・戦略を理解します。

  3. 2. 目的
  4. 「なにをやるか」の前に「なんのためにやるか」を考えます。

  5. 3. 目標
  6. 目標があれば成果を具体的に評価でき、目指す方向性を定められます。

  7. 4. スコープ/WBS
  8. スコープとはプロジェクトで行う作業・実施範囲、WBSは「Work Breakdown Structure」の略で「プロジェクトを細かな作業(Work)に分解(Breakdown)した構成図(Structure)」のことです。スコープを管理可能な作業単位まで分解し、やること、やらないことをリスト化します。

  9. 5. スケジュール
  10. 必ず実際に制作するメンバーと一緒に確認を取りながら作ることが鉄則です。

  11. 6. プロジェクト体制
  12. 体制と役割を明示し、体制図などを作りプロジェクトオーナーにチーム構成の承認を取りましょう。

  13. 7. 予算
  14. スコープ・スケジュール・品質と、リスクを勘案して算出します。

  15. 8. コミュニケーション計画
  16. 発信したメッセージが必ずしも正しく伝わるとは限りません。メッセージの発信方法、ルールの検討が必要です。

  17. 9. リスク計画
  18. リスクを先取りし、コントロールすることが大事です。

  19. 10. 品質計画
  20. 品質は一言でいうと「要求を満たしていること」です。クライアントの要求事項を確認し、理解しましょう。品質と等級の意味を混同しがちなので注意が必要です。

そのほかには、計画の「承認」が大事とされています。誰に対して、どこまで話すか、どうやって承認を取って進行するかが重要です。これを理解しておかないと「そんなの聞いていない!」といったトラブルの原因となります。承認のためにはプロジェクトメンバー、ステークホルダー(顧客、クライアント担当者など)と共通の認識を持つようにしましょう。

和田正弘

プロジェクトをはじめるまでの状況を把握する

「10の要素」を学んだあと、「実際にあるWebサイトをリニューアル」や「旅行に行く」など身近な例をあげ、受講者ひとりひとりに合わせたプロジェクトを実際に計画してみました。人数や要望によってグループディスカッションのようにもしてプロジェクトの計画を立てます。

実際に考えてみると要求・背景の考えが甘かったり、目標に具体性が無かったりと、見落としがちな点を理解することができました。こうかな?となんとなく考えるのではなく、誰が、どこで、何をするのか具体的にシチュエーションを考える必要性を知りました。 引っ越し、誕生日会、お祭りなどといった生活のなかにあるごく身近な事柄も、日頃から「プロジェクト」として考えてみると面白い発見があるかもしれません。

2017年7月

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